まじなか歳時記 本文へジャンプ

皐月の頃

おケラが鳴く、此の頃、毎年、高校時代の定期演奏会を思い出していました。
(2020.5.2)

♪IN THE SPACE♪

♪SUNRISE♪

♪Inoki Bom-Ba-Ye♪

♪Get Back♪

♪Red roses for a blue lady♪

♪君は薔薇より美しい♪

♪地球へ♪

♪ポーラスター♪

♪Y.M.C.A.♪

♪唇よ熱く君を語れ♪

♪My Way♪

大学入学後、5月の下旬、中学校の頃から付き合っていた子と会う約束をした。高校時代は一度しか会わずに、文通だけのお付き合いであった。吉祥寺ロンロンに行ったが、約束の時間になっても彼女は来ない。ふと、気がつくと伝言板に『さよなら』の文字。涙で何もかもがぼやけて見えた事を覚えている。きっと、俺の青春時代は、あの4文字に収斂しているのだろう…。

その後、風の噂で彼女が短大を中退して、結婚した事を、聞いた…。


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RESEARCH

MONOLOGUE1
翌週、再び、散歩に出掛ける。今回は賤機山登頂を目指しての出発であった。カメラと携帯を持って出発、浅間神社の境内を横切りがてら、参拝しようとした処、ふと気付く。財布を忘れた。さらには、タバコも置いてきた。然し、まあ、山登りに財布もタバコも不要であろうと思い直し、先を急ぐ。
八千矛神社際のお百段から、登る。あっという間に古墳やや上に着いたが、激しく呼吸が乱れ息も出来ない。5分程ベンチに腰掛け歩き出した。

MONOLOGUE2
暫く歩くと、又、お社がある。麓山神社と言うのだが、未だに、息切れが止まらない。此処までしないと参拝出来ないとは、随分と無体な神様である。祭神はと、調べて納得。大山祇神(おおやまつみのかみ)、所謂、山の神だ。木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)や石長比売(いわながひめ)の父神にあたる。恐らくは、此の地域の氏神なのであろう。折角、訪れたのだから、賽銭でもと思ったら、財布が無い事を思い出した。まあ、気は心だ。兎に角、殊勝な風を装い、手を合わす。その刹那、まじなかは口の中で、『あっ』と、呟いた。すべてが国津神。同じ系譜である。
確かに、そう考えれば、合点がいく。浅間神社に習合されている神社の祭神は、全て、大山祇神の系譜である。此の収穫、ひとつ、得をした様な気がした。

国津神(ウィキペディア)


MONOLOGUE3
先程の話、続く。山道を登りながら、こう考えた。何処かで聞いたような書き出しではあるが、致し方無い。此れ程迄の数の神社が習合されながら、天津神は一柱もおわさら無い。恐らくは、被征服の神々への信仰が脈々と受け継がれて来たのだろう。先程見かけた、古墳跡を想い、壮絶な神々の戦い、古事記の国譲りの逸話などを想ったりした。大山祇神より差し出された、木花之佐久夜毘売や石長比売姉妹も、良く言えば政略結婚。一般的に考えれば、征服者に捧げられた人質であったのかもしれない。

MONOLOGUE4
国譲りの段では、建御雷神は建御名方の手を、草でも千切る様に、無造作に千切って投げ捨てたと言う。又、天照大神の岩戸隠れの段も凄まじい。須佐之男命は馬の生皮を剥ぎ、機屋に投げ込んだと言う。とても、兄弟喧嘩の次元では無い。その際に、稚日女尊が、梭(機を織る為の先の尖った棒)をほと(女陰)に突き刺して死んでしまった。記紀では、淡々と記述しているが、凄まじい描写である。その様な自殺方法を選択する者もおるまいから、普通に想起されるのが、戦時下での拷問、陵辱、虐殺である。そもそも、馬を人に置き換えれば、どうであろう?日本神話におけるラグナロクも、決して、綺麗事だけでは、済まされないのだろう。

MONOLOGUE5
大分、登って来た。下を見下ろせば、遥か眼下に、愛しき我が家が、豆粒程の大きさに見える。かみさんを携帯で、家の前に呼び出した。まじなかの姿が確認できたのであろう、無心に手を振っている。相変らず、無邪気な奴だ。こちらも手を振り返し、又、尾根道を登り始めた。
賤機尾根は静岡市街を南北に迫り出した形である。尾根道からは東側も、西側も俯瞰出来る。謂わば、静岡を東西に分かつ、分水嶺と言った処であろうか。

MONOLOGUE6
漸く、山頂である。確かに、国土地理院の三角点がある。地図好きであるまじなかには、堪らない代物だ。標高は140m。此処まで息を切らして、此の程度かと思うと、泣けてくる。
山頂には救世観音がある。静岡大空襲の犠牲者と撃墜されたB−29の戦没者を悼む為に建立されたと言う。『地獄への道路は善意により舗装されている』、という言葉が虚しく響く。昭和のラグナロクも、決して綺麗事では無いのだ。幾多の非業の死が、其処にある。
まじなかは、手を合わせながら、平和な時代が久しく続く様、祈念し、くすんだ清明の青空を仰ぎ、山頂を後にした。

今日の言葉
安きに居て危うきを思う。
          −春秋左氏伝

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写真は賤機山より

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