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産女の里奇譚U


其処は『産女』と謂う名のバス停であった。

産女。

まじなかが友達の家で、妖怪図鑑を見た時、確かに其の名の妖怪がいた…。

何故、妖怪と同じ名称の地名が…。

およそ、妖怪産女と無関係に、此の様に不吉な名前をつけるとは、子供心にも、考え難いのは理解出来る。

地名に妖怪の名を冠する以上、何らかの因縁があるに相違ない。

過去に産女に係わる何らかの災厄が有ったのでは、と考えるのは、年端の行かぬ子供にあっても無理からぬ事では無いだろうか。

小学校の高学年ともなれば、妖怪や宇宙人はテレビの中だけの物との認識は普通にある。ましてや、人一倍、賢しらな自負と矜持を持つまじなか少年にとって、妖怪と同名の地名の発見。

其れは、如何考えても戦慄すべき出来事であった。