

清水の灯篭流しに45年ぶり位に行って見た。灯篭流しは、毎年、7月16日。お盆の送り火の日に行なわれる。
以下は『赤燈台物語』第9話の描写である。
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二人で灯篭に灯を燈す。蝋燭の仄かな炎は、ゆらゆらと揺めき、ぼんやりと周囲を浮かび上がらせた。正太郎と祐子は、二人で渋川橋から灯篭を流した。渋川橋は灯篭流しの橋の中では、最上流にあたる。これより上流は能島橋迄まで、橋がない。灯篭の数も、未だ、疎らである。祐子の家の前を通り過ぎ、二人は巴川東岸を下流に向かって歩き始めた。川の方からそよ吹く、水気を含んだ夜風が、微かに鼻腔を擽る。川面にはポツリポツリと灯篭が淡い光を放っている。 |
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やがて、正太郎達が歩いてきた川沿いの細い道は国道1号とぶつかり、巴川橋を過ぎた辺りから、徐々に、灯篭の数が増えて来た。薄暮に包まれていた風景に、川面の灯篭の灯が映える様になり、二人の通った小学校の脇を抜ける頃には、夜の帳が完全に下りていた。
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どーん。
大きな音とともに、花火が始まった。夜空に大輪の花が咲く。花火の残滓が、パラパラと夜空に散って行く。川面に映える無数の灯篭。其の向こうには清水市街地のビル群の参差なシルエット。そして、夜空を彩る赤、青、黄、緑、紫の大輪の花。とても、幽玄な光景である。其の幻想的な風景と、祭り独特の雰囲気が正太郎の背中を押した。
赤燈台物語 第9話 立葵の天辺の蕾が花開く頃
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まじなか君渾身のラノベ。赤燈台物語リンクはこちら。

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(写真は清水灯篭流し)

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